産後の復職について

会社員(派遣・パートなどの非正規社員含む)などの被雇用者と、フリーランス(個人事業主)など雇用関係によらない働き方で、国民健康保険に加入している者とでは、出産・育児に際してもらえるお金と出費に約300万円の差があるといいます。

産休中の出産手当金は、勤務先の健康保険から受給できる給付金であり、育休中の育児給付金は、勤務先が加入する雇用保険から受給できる給付金のため、これらに加入できない、フリーランスや小規模経営者には給付金がなく、2019年までは社会保険料の免除もなかったため、300万円の格差になってしまうのです。

(※2019年よりフリーランスを含む国民年金第1号被保険者も、産前産後4か月間の国民年金保険料の免除制度が導入されました。)

私が発起人となった「雇用関係によらない働き方と子育て研究会」は、2018年2月22日アンケート調査を記者会見で発表しました。

調査内容は、雇用関係にないため産休・育休を取得できず、働きながら妊娠・出産・育児をした経験のある女性を対象に行ったもので、有効回答数は353件でした。

妊娠・出産・育児を経て仕事を継続している人の復帰タイミングは、産後2ヶ月以内が59.0%、産後1ヶ月以内でも44.8%に上りました。

つまり、母体保護のために労基法で定められている、産後休暇期間の8週間が取れていないと分かりました。

全体の63.1%が扶養ではなく自身で保険料を納付しているにも関わらず、出産手当金の給付を受けられているのは僅か19.3%でした。

「雇用形態を問わず必要である」「できればあった方が良い」の合計は、産前産後の所得補償が95.5%、社会保険料の免除が93.8%、育休中の所得補償が92.4%。

休業制度そのもの、特に育児休業を求めている人は比較的少ない、と分かりました。

Q仕事と育児の両立のために利用したものはなんですか?(複数回答可)の質問に対し、家族や親戚に協力を仰ぐケースが中心ではあるものの、一時保育利用者が44.2%、ベビーシッター利用者が26.9%、地域のファミリーサポート利用者が23.5%と、保育園以外の託児サービスへの依存度は高い割合でした。

全体の約3割が月額5万円以上の出費を強いられている、と分かりました。

実際にベビーシッターを利用したのは26.9%だったにも関わらず、Qどのようなことを改善すればより両立しやすくなるか(複数回答)の質問では、「ベビーシッターなど保育園以外の保育サービス利用料の経費化」が63.5%で第二位と高く、経費ではないことで利用できていない実態が伺えました。

これらの調査結果を踏まえて政府に要望を提出し、以下2つを実現しました。

2つを実現

① 2019年よりフリーランスを含む国民年金第1号被保険者も、産前産後4か月間の国民年金保険料の免除制度が導入されました。
② 認可保育園の利用調整において、どの自治体においても被雇用者(会社員)と同等の扱い

記者会見で私は、「母体保護の面からも出産手当金や、社会保険料の免除が必要です。収入もない状況で、社会保険料だけが出て行くのはつらい。次の妊娠、出産を止める理由にもなっています」と訴えました。

あらゆる働き方の女性が、安心して妊娠・出産・子育てしながら働き続けられる社会を願っています。

横浜市会議員:おさかべさや

・Yahoo!ニュース
会社員がもらえる数十万円の出産手当金なく産後3時間で仕事 フリーランス女性、出産への壁https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/e922dfbc6ed33f69fb364650e87ba2144586ed84

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