「学年チーム担任制」の先行事例、鹿児島市立城西中学校を視察
今年度、私は「学年チーム担任制 」の導入を教育委員会 に要望して来ました。
すでにこの秋、いくつかの学校でプチ・モデル実施しており、来年度(2024年)から本格モデル実施されます。
それを受け、先行事例を視察したいと常任委員会にお願いし、この秋、鹿児島市立城西中学校を視察しました。
「学年チーム担任制」は、固定された担任制をなくして、複数の教員が同じ学年の生徒を担任することで、児童・生徒 一人ひとりの学習状況や生活面の問題を、複数の教員の視点から把握するものです。

常にブラッシュアップして行っている
城西中学校では5年ほど前から開始していますが、教員同士が話し合い、常にブラッシュアップして行っているのが、素晴らしいなと思いました。
クラスという壁を壊し、固定担任制を壊すことで、教員間のコミュニケーションが盛んになり、「もっとこうしよう!」とアイデアが出てくるのは、まさしく私が目指している「学年チーム担任制 」のメリットそのものでした。
たとえば、教員のローテーションも話し合いで随時変更しているそうです。
生徒たちに落ち着きがないなど、いつもと違う様子が見られたときは、同じ教員がもう1週間担任を行なうといった対応をしている、とのことです。
柔軟性をもって、適宜、判断していることに関心しました。

生徒が相談したい教員を選ぶことができる
また、複数の教員と関わることで、生徒が相談したい教員を選ぶことができ、教員に相談しやすくなった、という声も聞くことができました。
デメリットとしては、教員同士の情報交換が盛んで、話し合う時間が足りない、とのことでした。
この問題は、目黒区が「40分授業・午前5時間制」をモデル実施しているので、こういった時間を捻出している事例を今後視野に入れて行く必要がある、と思いました。
(「40分授業・午前5時間制」とは、45分の授業を5分短縮して40分で授業を行ない、生徒の集中力が高い給食を食べる前の午前中のうちに5時限終わらせる、というものです。)
きっかけは工藤勇一氏が行なった学校改革
城西中学校が「学年チーム担任制」を導入したきっかけは、工藤勇一氏が千代田区立麹町中学校で行なった学校改革だったそうです。
私も、麹町中学校と私立横浜創英中学校の元校長である工藤勇一氏や、大阪市立大空小学校の元校長である木村泰子氏に直接話を聞いて「学年チーム担任制」を勉強させていただいたので、きっかけが同じと聞いて、余計に共感が大きくなりました。
「学年チーム担任制」は、今後益々多くの自治体で広がっていくことと思います。
そして、10年後には、日本全国の学校で当たり前になっていくと、今回の視察を通じて、より確信しました。

【参考資料】https://www.keinet.com/jyouseic/wp-content/uploads/sites/417/2021/11/R3.11-1.pdf
横浜市会議員:おさかべ さやか