川崎市・日光市の「ラーケーション」を視察

「ラーケーション制度」とは、「学習(ラーニング)」と「休暇(バケーション)」を組み合わせた造語のことを言います。

たとえば、土日がお休みではないサービス業などに従事している保護者は、時には平日に子どもの学校を休ませて、家族一緒に過ごす時間を確保したりします。

保護者の休暇に合わせて、子どもが平日に学校を休み、校外での体験・探究活動や家族の時間を楽しむことができる仕組みが、「ラーケーション制度」になります。

ラーケーション制度の主な特徴

・欠席にならない:事前に届け出ることで、学校を休んでも「欠席」ではなく「出席停止・忌引き等」と同様の扱いになります。
・取得日数:多くの自治体や学校で、年間最大3日まで取得可能とされています。
・活動内容:博物館・美術館の訪問、自然体験、地域の史跡巡り、農業体験など、学校外でしかできない体験や学びが推奨されます。

導入される背景とメリット

・柔軟な休日設定:保護者が土日・祝日に休みを取りにくい場合でも、家族で一緒に過ごす時間を確保しやすくなります。
・多様な学びの機会:教室の中だけでは得られない体験を通して、子どもの探究心や自主性を育むことができます。

利用の際の注意点

・事前の計画と届出:いつ、どこで、どのような体験・学びをするのかを事前に学校へ届け出る必要があります。
・学習の補完:休んだ分の授業内容は、原則として家庭学習や自習で補うことになります。

「ラーケーション制度」は、愛知県の公立学校での導入を皮切りに、茨城県、山口県、熊本県、徳島県、沖縄県などの自治体や、各地域の市区町村へと導入が広がっています。

取得条件やルールは、自治体や学校によって異なり、地域性が反映された制度となっています。

川崎市では「かわさきホリスタ」として、昨年(2025年)よりラーケーション制度を導入しました。

川崎市の特徴として、企業との連携がありました。工場見学・収穫体験・ワークショップなど、地域企業と連携することで、体験的学習を親だけの負担にしないよう取り組んでいました。市内・市外問わず、ホリスタで利用しやすいよう、レジャー施設の割引にも対応していました。

また、心配される教員への負担としては、もともと使っていた欠席・連絡システムに「ホリスタボタン」 を追加し、たとえば「親子で水族館」と目的を入力するかたちで、負担とならないよう配慮していました。

ただ、まだ昨年から導入したばかりということで、「ホリスタ」を知らなかったという周知不足が課題、とのことでした。

(2026年5月川崎市議会堂にて 左:国民民主党/深作ゆい議員 中央:自民党/おさかべさやか 右:立憲民主党/かざまあさみ議員)

日光市では「ちょこっとスタバケ」として、R6(2024年)4月よりラーケーション制度をスタートしました。

日光は観光地のため、サービス業従事する保護者が多い、という背景があります。

「ちょこっとスタバケ」の活動例には、「その他、保護者等と行なう体験や学びの活動」というものも挙げられており、体験格差の助長とならないよう、どこかに行くことだけが利用目的ではないことがきちんと記載されていました。

非認知能力の向上のため、体験的学習の必要性が高まるなかで注目したい「ラーケーション制度」

横浜市での導入は、まだ進んでいませんが、今後も調査・研究を続けてもらえるよう進言して行きたいと思います。

視察を終えて思ったのは、各自治体が「ラーケーション」という本来のネーミングを使わないことで、逆にその概念や制度が広まりづらいように感じました。

横浜市で導入の際は、本来の「ラーケーション」という概念が損なわれないよう、「ラーケーション」というネーミングで進めてもらいたいと思いました。

横浜市会議員:おさかべ さやか

・静岡新聞DIGITAL
平日の校外学習を欠席扱いにしない「ラーケーション制度」 掛川市が導入へ 「主体的に学ぶ力」育成
https://news.yahoo.co.jp/articles/72582e84bd364ef7715dbfa02cc08bdea57cf97c

・朝日新聞
「平日に保護者と探求学習」 多摩市が欠席扱いにせず「授業」と認定https://www.asahi.com/articles/ASV4X2HGNV4XOXIE01MM.html

・TBS NEWS DIG
SNS上でも賛否が分かれる 子どもが平日に学校を休む「ラーケーション」 街の声は?https://newsdig.tbs.co.jp/articles/mrt/2636401?display=1

・日テレ NEWS NNN
「習い事でもOK」平日休める制度“ラーケーション” 道志村の小中学校で導入 山梨https://news.ntv.co.jp/n/ybs/category/life/ys350c7cf930bd4dd9b3e0aed0c12f13c2

・読売新聞オンライン
「ラーケーションの日」、発祥の県で小学生の取得は3人に1人…最多は「1日」https://www.yomiuri.co.jp/national/20250517-OYT1T50144

・読売新聞オンライン
日光の小中で導入の「スタバケ」、平日休みを活用し6割が家族旅行…親子の触れ合い増https://www.yomiuri.co.jp/local/tochigi/news/20250603-OYTNT50093

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