名札がひらがなで苗字のみに
私は昨年(2024年)の決算特別委員会にて、総務局に対して「カスタマーハラスメント(カスハラ)対策」について質問しました。
質問のなかで、職員の名札をひらがなで苗字のみにした、埼玉県は羽生市の事例を紹介し、カスハラ防止にとっては重要な対策のため、是非参考にして欲しい、と要望しました。
フルネームと顔写真の記載を取りやめることで、職員がインターネットなどで個人を特定されるリスクを減らすことができるからです。
窓口に来た市民が無断で顔や名札を撮影し、SNSに投稿するなどの問題も発生していたため、名札の変更によりカスハラ対策を強化できるのです。
決算委員会で副市長からは、私の要望した他都市の取組なども参考にしながら、実効性のある対策を実施していきたい、と回答を得ました。
そして、今年(2025年)8月、横浜市でも職員の着用する名札の記載内容が変更し、ひらがなで苗字のみとなりました。

(写真:NHK首都圏 NEWS WEBから)
実効性のある対策を
カスタマーハラスメントは、職員の就業環境が害される行為であり、職員の精神的な負担とともに、業務の停滞、市民サービスの低下を招く問題です。
職員向けには、対応マニュアルの策定、正しい知識・対処方法についての研修の実施、不安を抱えたり対応に困ったときに相談できる体制の整備、などが必要です。
また、社会全体で理解を広げていくためには、市民の皆様に向けた発信も必要で、最近ではスーパー、デパートのレジなどでも、カスハラ防止の啓発ポスターなどを見かけられようになりました。

(画像:厚生労働省 周知啓発用ポスター)
英語表記とユニバーサルフォント
また、苗字はひらがな表記と併用して、ローマ字表記を大きく表示するようになりました。
これは、外国人住民を含む全ての人が、職員の名前をより理解できるように改善したものです。

より分かりやすくするために、ユニバーサルデザインフォントの使用もしています。
ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)とは、文化、国籍、年齢、性別、障害の有無にかかわらず、誰にでも読みやすく、誤読しにくいように設計されたフォントのことです。
UDフォントは、文字の形が似ていても判別しやすいよう工夫されており、例えば濁点や半濁点を大きくしたり、文字の内側の空間(ふところ)を広くとったりするなどの特徴があります。
(似ている文字の例:「3」と「8」、「S」と「C」、「ブ」と「プ」などが混同しにくいようにしています。)
また、文字の太さや線の幅にも配慮されており、高齢化やロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)など、多様な読み手の困難に対応し、公共交通機関の案内表示や教育現場、ビジネス資料など、幅広い場面で活用されています。
横浜市職員の名札は、英語表記とユニバーサルフォントを使用することで、職員と市民の心理的な距離を縮め、親しみやすい雰囲気作りに貢献しています。
名札が変更されて、私も職員の方と打ち合わせする際に、名札に目が行くようになりました。
職員の方のお名前が一目瞭然で、安心感があります。
カスハラ防止をきっかけに、さらに多くのメリットが得られた事例だと思います。
今後も、デメリットをなくすことからメリットを得られるような、プラスの発想となる政策を実現して行きたいと思います。
【関連記事】
・NHK首都圏 NEWS WEB
埼玉 羽生市 職員の名札 ひらがなで名字だけに変更へ
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20240926/1000109448.html
・徳島 NEWS WEB
カスハラ対策 徳島県が職員の名札「ひらがな」「名字のみ」https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20250402/8020022755.html
・読売新聞
「フルネームをインターネットに書き込まれた」…福山市、カスハラ対策で職員7000人の名札を名字のみに変更https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20250701-OYO1T50067/