「国際勇気ある女性賞」を日本人として初受賞

2人の子の前に2回流産した経験がありました

私は今、2人の子の育児に追われる毎日ですが、この2人の子の前に2回流産した経験がありました。
そして、この流産をきっかけに、当時勤務していた会社から退職を迫られました。

私に退職を迫った上司は、「お子さんが欲しいのでしょ。お子さんを優先しなさい。
仕事も子どもも両方取るのは、ワガママだ」というようなことを言いました。

仕事を取るなら、妊娠は9割諦めろ

人事部長からは、「仕事を取るなら、妊娠は9割諦めろ」と言われました。
もう10年以上前のことです。

当時は、「マタハラ(マタニティハラスメント)」という言葉は殆ど知られておらず、法律の理解も進んでいませんでした。

「マタハラ」という社会問題を世の中に発信

流産して子どもも失い、仕事も失った私は、マタハラを受けている女性はきっと多いだろうと思い、マタハラNethttps://mataharanet.org/)という任意団体を立ち上げ、後にNPO法人化して、「マタハラ」という社会問題を世の中に発信しました。

実名を出し、顔を晒して、メディアの取材に答えました。
すると、多くの誹謗中傷が飛んできました。
多かったのが上司同様に、「ワガママ」「欲張り」という言葉。
酷いものでは、「流産して、ざまあみろ」というメッセージもありました。

署名キャンペーンを立ち上げました

そこで、男性も含めた多くの人たちが両立を望んでいるという「数」を見せようと考えました。
署名キャンペーンを立ち上げ、記者会見し、「数」を示しました。
また、アンケート調査を行なって、「定量(数)」で見せる記者会見も繰り返し行いました。
何度もニュースにすることによって、「マタハラ問題」に共感のない人たち、反対の人たちにも、この問題は何度でもニュースになる重要な問題なのだ、と思ってもらえるようにしました。

多くの海外メディアからも注目

当時、安部元首相が「ウーマノミクス」を掲げたことで、多くの海外メディアからも注目されました。
在日アメリカ大使館の方々も、私の記者会見を見てくださったそうで、その流れから、アメリカ国務省による「国際勇気ある女性賞(International Women of Courage Award)」を日本人として初受賞させていただきました。
この賞は、女性の権利や男女平等などの問題に対して顕著な活動をした女性に贈られるそうです。

2015年、アメリカ国務省「国際勇気ある女性賞」を日本人として初受賞

そして、女性に贈られる賞としては、最大級のものだと聞きました。
流産で子どもを失う、仕事を失うという辛かった自分の経験が、誰かの役に立てたこと、そして、表彰までしてもらえたことは、今の自分の励みとなっています。

この賞に恥じることがないように、自分の信念にしたがって、政治活動を続けていきたいと思っています。

横浜市会議員:おさかべさやか

【関連記事】

・日本経済新聞
マタハラ被害支援の小酒部さんに「勇気ある女性」賞 米国務省
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG04H2V_U5A300C1000000/

・ハフポスト
小酒部さやかさんに「世界の勇気ある女性賞」 マタハラNetの創設者
https://www.huffingtonpost.jp/2015/03/07/sayaka-osakabe_n_6821436.html

・読売新聞
米国務省、五ノ井里奈さんに「世界の勇気ある女性賞」…日本人は小酒部さやかさん以来2人目
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240302-OYT1T50065/

・日テレNEWS NNN
「国際勇気ある女性賞」で日本人初受賞 米
https://news.ntv.co.jp/category/international/270576

TABI LABO
「運命は変えられる」2度の悲しみを乗り越え、日本初「世界の勇気ある女性賞」を受賞した小酒部さやかさんが教えてくれたこと
https://tabi-labo.com/250418/sk-2_osakabe

Carnegie Council
Congratulates Sayaka Osakabe on her International Women of Courage Award
https://www.carnegiecouncil.org/about/news/press-release/363