ゆとりのない小学生のタイムスケジュール
今の小学校では、運動会は午前中で終わり、学芸会・合唱コンクールなどのイベントも多くの学校で行われなくなりました。
朝は決められた時間しか門が開かず、朝の時間は校庭で遊べず、中休み15分、昼休み15分、放課後も終了してすぐにバスに乗せられて、民間学童に運ばれたり、キッズに行ったりと、学校のお友だちと遊べる時間が全くと言っていいほどありません。
また、夏は酷暑で、6月から熱中症アラートが出るなど、校庭で遊べる機会も極めて少ないです。
私が小学生だった頃とは大きく変わり、これでは、いじめも不登校も増えて当然のように思います。
ゆとりのないタイムスケジュールや、子どもなのに遊ぶことが許されない状況が、子どもたちの心をむしばんでいるように思います。
運動・外遊び時間は減少傾向
スポーツ財団の研究では、小学生以下のこどもたちの1日あたりの運動・外遊び時間は、過去10年間で減少傾向にあり、2023年には全体の中央値として28.3分と、過去最低を記録しています。

1日2時間以上屋外で活動すると、近視になるリスクが低くなると、横浜市の教育委員会も推奨しているのにもかかわらず、実態は追い付いていません。
柔軟な教育課程の編成、つまりは、時間割をもっと柔軟にして、昼休みの時間を延ばして(ロング昼休み)、もっと学校のお友だち同士で遊ぶ時間を増やしてもらいたいと、私は強く要望しています。
40分授業・午前5時間制
実際に、横浜市でも時間割を工夫しているモデル校がいくつかあります。
「40分授業・午前5時間制」といって、
小学校であれば通常45分の授業を40分に短縮して、集中力の高い午前中に5時間の授業を終わらせて、昼休みや放課後時間を有効に活用するものです。
これにより、学校の実情に合わせたマネジメントを可能にすることができます。
左が一般的な45分の授業の時間割で、昼休みは15分になっています。
右がモデル校の「40分授業・午前5時間制」の時間割で、授業の1単位時間を40分として、昼休みを「ロング昼休み」にして、25分に拡大しています。

文科省の学習指導要領で授業時数は決められているため、45分を40分にした時に、削った5分の授業をどこかで行わなければなりません。
この削った5分の時間をまとめて、20分のモジュール時間とし、40分授業と合わせた60分の時間を探究的な学びに活用したり、児童の実態に応じた基礎学力の定着の時間に充てることができます。
以下の写真は、その様子をまとめたものです。

モデル校を視察
このように、モデル校では自分の学校の実態に応じた柔軟なカリキュラム編成を行い、その成果や課題について研究を行っています。
私も実際に、横浜市のつづきの丘小学校や、目黒区の大岡山小学校を視察させていただきました。
放課後の時間を活用して、教員が授業のブラッシュアップや教材研究に取り組めるので、40分と授業時間が短縮になっても、テキパキと効率よく授業を進めているのが印象的でした。

(つづきの丘小学校の視察)

(大岡山小学校の視察)
ロング昼休みの効果
モデル校では、「ロング昼休み」を導入している学校もあります。
実際に導入している学校の教員からは、ロング昼休みの時間中に、狙いをもって子どもたちと関わるようにしているため、「子どもたちとの対話の機会が増えた」「活動を一緒にすることで、学級や学年を超えた関わりができた」といった声があります。
また、児童生徒からは「心のゆとりが生まれ授業に集中できている」という声も上がっています。
普段の授業からは見えないお互いの一面がみられたり、対話の時間が増えたりすることで、教員と児童との信頼関係が構築されるなど、よい効果が期待できると思います
また、授業以外に子どもと遊んだり・対話したりする時間が増えることで、社会情動的コンピテシー(非認知能力)の育成にもつながると思います。
柔軟な教育課程の編成、つまりは時間割の編成については、次期学習指導要領の改訂に向けて、国でも議論が進められています。
国では、教員の仕事や子どもの学びに「余白」を生み出すとともに、教育の質の向上に資する方向で、授業時数の取扱いについて、一層柔軟化していくことが議論されています。
国の動向もしっかりと捉えつつ、横浜としてこの取り組みについては研究を継続し、ぜひ推進していってもらいたいと思います。
私も、実現に向けて、今後も要望し続けて行きます。
【関連記事】
・YY NET
都筑小学校 ロング昼休みの様子https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/es/tsuzuki/index.cfm/1,5461,44,188,html
・教育新聞
授業時数の中に裁量的な時間 柔軟な教育課程で文科省提案
https://www.kyobun.co.jp/article/2025032801
・朝日新聞
授業1コマの時間、小中学校ごとに柔軟化 文科省が後押し検討
https://www.asahi.com/articles/ASSD72RVKSD7UTIL019M.html